仕事で受け取ったデータを開こうとしたら、ファイル名の最後に「.csv」と付いていた。Excelで開けそうですが、そのまま触ってよいのか少し迷いますよね。
こんにちは、『ゴイノワ』のナギです。わたしも初めてCSVを見たときは、Excelファイルの別名なのだろうと思っていました。
実際には、CSVとExcelは似た姿で表示されるだけで、中身や保存できる情報が違います。意味だけでなく、開き方や扱うときの注意まで知ると迷いにくくなります。
CSVファイルとは何か
CSVファイルとは、表のデータをカンマなどの区切り文字で分け、文字情報として保存したファイルです。CSVは「Comma-Separated Values」を略した呼び方です。
表の中身を区切りながら並べたテキストファイルと考えると、仕組みをつかみやすくなります。
- CSV
-
区切られた値を文字として保存する形式
- 列
-
名前や住所など、一つひとつの項目
- 行
-
一人分や一商品分にあたるデータ
ファイル名には「member.csv」のように、最後へ「.csv」という拡張子が付きます。顧客名簿や商品一覧など、表の形をした情報の受け渡しでよく使われます。
中身はただの文字でできている
CSVをExcelで開くと、行と列に分かれた表が表示されます。ところが、メモ帳などのテキスト編集ソフトで開くと、文字とカンマが並んだ状態です。
たとえば名簿なら、最初の行へ「名前,年齢,地域」と書き、その下へ「佐藤,34,東京」のように一人分ずつ並べます。
| CSV内の文字 | 表での意味 |
|---|---|
| 名前,年齢,地域 | 各列の項目名 |
| 佐藤,34,東京 | 一人分の情報 |
| 田中,29,大阪 | 次の一人分の情報 |
わたしはここで一度止まりました。見た目は表なのに、なぜ中身は文字だけなのか。この簡素な仕組みが、CSVの使いやすさにつながっています。
ナギ表の姿より中身を見ると早いです
なぜ多くの場面で使われる?
CSVが広く使われる理由は、特定の表計算ソフトだけに頼らず、多くのサービスやシステムで読み書きしやすいからです。
Excelだけでなく、Googleスプレッドシート、会計ソフト、顧客管理サービス、ネットショップの管理画面などでも利用できます。
装飾や画像などを含まないため、同じ件数のデータを保存するなら比較的軽いのも特徴です。大量の商品や会員情報をまとめて移す場面と相性がよい形式です。
Excelファイルとの違いは?
CSVとExcelファイルは、どちらも表として表示できます。そのため同じものに見えやすいのですが、保存できる内容には大きな違いがあります。
Excelの「.xlsx」には、文字や数字だけでなく、計算式、セルの色、罫線、画像、グラフ、複数のシートなども保存できます。
| 項目 | CSV | Excel |
|---|---|---|
| 文字や数字 | 保存できる | 保存できる |
| セルの色や罫線 | 保存できない | 保存できる |
| 計算式 | 結果の値のみ | 式のまま保存できる |
| 複数シート | 扱えない | 扱える |
| 主な用途 | データの受け渡し | 作成や計算、分析 |
CSVはデータを運ぶための形式、Excelは表を作り込むための形式と考えると分かりやすいでしょう。表としての姿は似ていても、得意な役割が違います。
どんな場面で見かけるのか
CSVは、あるサービスからデータを取り出したり、別のサービスへまとめて登録したりするときによく登場します。
たとえばネットショップの商品情報、顧客名簿、売上記録、アンケート結果、アクセス履歴などです。一件ずつ入力するより、まとめて扱えます。
- エクスポート
-
サービス内の情報をファイルとして取り出すこと
- インポート
-
ファイル内の情報をサービスへ取り込むこと
管理画面で「CSV出力」や「CSV一括登録」と書かれていたら、この仕組みを使います。仕事で初めて触れる人は、こうした表示から言葉を知ることが多いかもしれません。
開く前に見ておきたいこと
CSVはダブルクリックするだけでExcelから開ける場合があります。ただし、内容によっては、その操作で文字や数字の形が変わることがあります。
あとで元へ戻そうとして困らないように、わたしなら用途を確かめてから開きます。見るだけなのか、編集するのか、別のサービスへ登録するのかという違いです。
- ファイルの用途を確かめる
- 元データを複製して残す
- 読み込み方法を選ぶ
内容を確認するだけなら、そのまま開いても困らないことがあります。編集や再登録に使うなら、元ファイルを複製し、コピーしたほうを扱うのが現実的です。
文字化けするのはなぜ?
CSVを開いたとき、日本語が読めない記号や不自然な文字へ変わることがあります。これはファイルが壊れているとは限らず、文字コードの違いが原因かもしれません。
文字コードは、文字をコンピューター内で表すための決まりです。作成時と読み込み時に別の決まりが選ばれると、日本語を正しく表示できないことがあります。
Excelでは「データ」から「テキストまたはCSVから」を選び、文字コードを確認しながら読み込めます。文字化けした状態で保存する前に、読み込み直すほうがよいでしょう。
先頭のゼロが消えることもある
CSVに電話番号や郵便番号が入っていると、先頭の「0」が消える場合があります。Excelが文字ではなく数値だと判断するためです。
たとえば「012345」を数値として扱うと「12345」になります。長い会員番号が指数の形で表示されたり、日付らしい文字が日付へ変換されたりすることもあります。
電話番号や商品コードは計算する数字ではないという点が確認の分かれ目です。読み込み時に列の種類を「文字列」として指定すると、元の形を保ちやすくなります。
保存すると消える情報がある
CSVをExcelで開き、セルに色を付けたり罫線を引いたりしても、CSV形式のまま保存すると、その装飾は残りません。
計算式を入力した場合も、保存されるのは表示された値が基本です。複数シートを含むExcelブックをCSVへ変えると、通常は選択中の一枚だけが対象になります。
見た目や計算式を残したいなら、作業用はExcel形式で保存し、提出用や登録用としてCSVを別に作る方法があります。目的に応じて形式を分ける感覚です。
区切りは必ずカンマなのか
CSVという名前から、すべてのファイルがカンマで区切られていると思いがちです。基本はカンマですが、実際にはほかの記号が使われる場合もあります。
地域やソフトの設定によっては、セミコロンなどで区切られることがあります。タブで分ける形式は、一般にTSVと呼ばれます。
ファイルを開いたのに一列へ全部入ってしまったら、区切り文字を正しく判定できていない可能性があります。読み込み画面で使われている記号を選ぶと、列ごとに分かれます。
文章中のカンマはどう扱う?
CSVではカンマが項目の境目になります。では、住所や商品説明そのものにカンマが含まれていたら、別の項目として分かれてしまうのでしょうか。
一般的な形式では、その項目全体をダブルクォーテーションで囲みます。囲まれた中にあるカンマは、区切りではなく文章の一部として扱われます。
改行やダブルクォーテーションを含む項目にも書き方の決まりがあります。中身を直接書き換える場合は、記号を一つ消しただけで列がずれることもあるので注意したいところです。
CSVのメリットと弱いところ
CSVのよさは、仕組みが単純で、多くのソフトから扱いやすいことです。文字情報が中心なので、異なるサービス間でデータを渡す用途にも向いています。
一方で、セルの色や計算式、画像などは保存できません。文字コードや区切り文字の違いによって、開いたときの表示が変わることもあります。
高機能な表を作る形式ではなく、必要な値を受け渡す形式だと考えると納得しやすいでしょう。便利さと不便さは、どちらも中身の単純さから生まれています。
CSVを使うときの判断基準
CSVを使うか迷ったら、最終的に何を残したいかを考えます。文字や数字だけを別のサービスへ渡すなら、CSVが候補になります。
色分けした表を共有したい、計算式を残したい、複数のシートを一つにまとめたいなら、Excel形式のほうが目的に合います。
ここは勢いで決めたくないんですよね。相手からファイル形式を指定されている場合は、自分の使いやすさより、その指定を先に見る必要があります。
CSVはデータを渡すための形式
CSVファイルとは、表の値を区切りながら文字として保存するファイルです。Excelで開けますが、Excel専用の形式ではありません。
多くのサービスで扱いやすい一方、文字化けや先頭のゼロ、日付への変換には注意が必要です。装飾や計算式もCSVには残らないと覚えておきましょう。
次にCSVを受け取ったら、まず見るだけなのか、別の場所へ登録するのかを確かめてみてください。登録に使うなら元データを一つ残し、コピーから開く。その一歩で扱いやすくなります。











