経済ニュースを読んでいると、説明なしでCIやDIという略語が出てくることがあります。数字も一緒に並ぶので、どこから読めばよいのか迷いやすいんですよね。
こんにちは、「ゴイノワ」のナギです。わたしも初めて見たときは、どちらも景気を表すなら、なぜ二種類あるのだろう?と手が止まりました。
意味の芯はそれほど複雑ではありません。CIは景気の変化の大きさや速さ、DIは改善がどのくらい広い分野に及んでいるかを見る指数です。
CI・DIは景気動向指数の一種
CIとDIは、内閣府が作成する「景気動向指数」に含まれます。生産や雇用、販売など、景気の変化に反応しやすい複数の統計を使って算出される数字です。
景気は、スーパーの売上や工場の生産量など、一つの数字だけでは判断できません。ある分野が伸びていても、別の分野では弱さが続くことがあるからです。
そこで、性質の異なる統計を組み合わせ、景気全体の動きを読み取る材料にしたものが景気動向指数です。CIとDIは同じ材料を使いながら、別の角度を見ています。
- CI
-
景気変動の大きさや速さを示す指数
- DI
-
改善が広がっている度合いを示す指数
- 景気動向指数
-
景気の現状や先行きを読むための統計
CIは景気の勢いを表している
CIは「コンポジット・インデックス」の略です。採用された各統計が前月からどの程度変わったかを合成し、景気変動の量的な大きさを数値で示します。
たとえば、生産や出荷、販売に関する数字が大きく伸びれば、その変化はCIにも反映されます。小さな改善が続く場合と、急に伸びた場合を同じ扱いにはしません。
CIは景気がどれほど強く動いたかを見る数字と考えると、役割をつかみやすくなります。勢いだけでなく、変化する速さも含んだ感覚です。
ナギCIは景気の勢いを見る数字です
CIは100より上なら好景気?
CIを見ていると、100という数字が目に入ります。ここで「100を超えれば好景気で、下回れば不景気」と覚えたくなりますが、そう単純には読めません。
CIの水準は、基準年の平均を100として表したものです。100は基準となる年との比較に使う目盛りであり、景気の良し悪しを直接分ける境界線ではありません。
わたしなら、100を超えているかより、前月から上がったか下がったかを先に見ます。過去数か月の流れも追うと、一回の上下に振り回されにくくなります。
DIは景気の広がりを読み取る
DIは「ディフュージョン・インデックス」の略です。採用された統計のうち、一定の方法で改善していると判定されたものが、どの程度あるかを割合で示します。
仮に十個の統計を調べ、そのうち六個が改善、四個が悪化していたとします。単純なイメージでは、改善した側が六割なのでDIは60%となります。
ただし、DIは一つひとつの改善幅までは示しません。ほんの少し上向いた統計も、大きく上向いた統計も、改善したという判定では一つとして数えられます。
DIの50%はどう読めばいい?
DIでは50%が一つの目安として使われます。50%を上回れば、悪化している系列より改善している系列のほうが多いと読み取れます。
一致指数のDIは、景気の拡張局面では50%を上回り、後退局面では下回る傾向があります。ただし、一度50%を超えただけで景気回復と決まるわけではありません。
DIの50%は景気の良さを点数化した数字ではない点には注意したいところです。80%だから景気が80点という意味ではなく、改善した系列の割合を表しています。
CIとDIの違いを身近に考える
二つの違いは、商店街の売上に置き換えるとわかりやすくなります。CIは売上がどのくらい大きく増えたか、DIは売上が増えた店が何軒あるかを見る感覚です。
一軒の大型店だけが大幅に売上を伸ばし、ほかの店は横ばいだったとします。全体の増加額は大きくても、改善が商店街全体に及んでいるとは言いにくい状態です。
反対に、多くの店で売上が少しずつ増えていれば、改善の広がりは大きくなります。ただし、一軒ごとの伸びが小さければ、全体の勢いは強くないかもしれません。
| 比べる項目 | CI | DI |
|---|---|---|
| 主に見るもの | 変化の大きさや速さ | 改善が及ぶ広さ |
| 数字からわかること | 景気変動の量的な強さ | 改善した系列の割合 |
| 数字を見るとき | 前月比や数か月の流れ | 50%との関係や推移 |
| たとえるなら | 声援の大きさ | 応援する人の割合 |
二つの数字が食い違うこともある
CIとDIは測っているものが異なるため、いつも同じ方向へ動くとは限りません。CIが大きく上がっているのに、DIはそれほど高くない場合もあります。
これは、一部の統計が強く伸び、全体のCIを押し上げている一方で、改善した統計の数自体は多くない状況などで起こり得ます。勢いはあっても広がりは限定的です。
逆に、DIが高くてもCIの上昇が小さい場合があります。多くの分野が上向いているものの、それぞれの改善幅はわずかという状態なら、二つの動きはずれます。
先行・一致・遅行の三種類がある
CIとDIには、それぞれ先行指数、一致指数、遅行指数があります。「CIが上がった」と聞くだけでは足りず、三種類のうちどれなのかも確認する必要があります。
先行指数は景気より早く動く傾向があり、今後の動きを考える材料になります。一致指数は景気とほぼ同時に動き、現在の状態を知る場面で使われます。
遅行指数は景気より遅れて反応するため、景気の変化をあとから確かめる材料です。名前は似ていますが、見ている時間の位置がそれぞれ違います。
- 先行指数
-
景気より先に動き、先行きを考える材料になる
- 一致指数
-
景気とほぼ同時に動き、現状把握に使われる
- 遅行指数
-
景気より遅れて動き、変化の確認に使われる
ニュースでは一致指数をよく見る
景気の現状を伝えるニュースでは、CIの一致指数がよく取り上げられます。現在の景気とほぼ同じ時期に動くため、足元の変化を知る材料として使いやすいからです。
一致指数が上昇していれば、景気が拡張する方向にあると読む材料になります。低下していれば後退方向ですが、単月の結果だけで局面が決まるわけではありません。
ここでわたしが気になったのは、「上がった」という見出しだけでは上昇幅がわからない点でした。わずかな上昇なのか、目立つ動きなのかまで見ると印象が変わります。
CIの基調判断も読み方の手がかり
内閣府が発表する景気動向指数では、CI一致指数の動きをもとに基調判断も示されます。数字だけでは読みづらいときに、景気の大きな流れを知る手がかりになります。
基調判断には、改善や足踏み、悪化など、一定の判定基準に沿った表現が使われます。日常会話の印象だけで付けられた言葉ではない点を覚えておきたいところです。
ただし、基調判断も将来を断言するものではありません。その時点までに公表された統計から、景気がどのような状態にあるかを示した判定として読みます。
景気ウォッチャー調査とは別の数字
DIという名前は、景気動向指数以外でも使われます。たとえば景気ウォッチャー調査にもDIがあるため、ニュースで見かけたDIが何を指すのか迷うことがあります。
景気動向指数のDIは、複数の経済統計が改善した割合から作られます。一方、景気ウォッチャー調査は、景気を身近に感じる人への質問結果を数値にしたものです。
どちらも景気の方向を読む材料ですが、集めている情報も計算のもとになるものも違います。「DI」とだけ覚えず、何の調査かを見るのが先なんですよね。
GDPや日経平均とも役割が違う
景気を表す数字には、GDPや日経平均株価もあります。どれも経済ニュースに登場しますが、CIやDIと同じものを測っているわけではありません。
GDPは国内で生み出された付加価値を表す指標です。日経平均株価は選ばれた企業の株価から算出され、市場参加者の期待や企業業績などの影響を受けます。
CIとDIは、生産や雇用を含む複数の統計から景気の動きを読むものです。一つの数字を万能な答えにせず、目的の違いを知って使い分けるほうが自然です。
数字を見るときに気をつけたいこと
CIやDIは、景気を知るための有力な材料ですが、一か月分だけで先行きを決めつけることはできません。災害や大型連休など、一時的な事情で数字が動く場合もあります。
公表後に新しい統計が加わり、速報値が改訂されることもあります。最初に見た数字が最終的な値とは限らないため、細かな差を断定的に受け取らないほうがよいでしょう。
経済の数字に慣れていないと、一回で正確に読まなければと思ってしまうかもしれません。まずはCIとDIの違いだけを押さえ、少しずつ見る範囲を増やせば十分です。
経済ニュースを読む三つの手順
実際の記事では、CIやDIのほかに前月比や基調判断なども並びます。最初からすべてを追うより、見る順番を決めたほうが内容をつかみやすくなります。
- CIとDIのどちらかを確認する
- 先行・一致・遅行を確かめる
- 単月ではなく数か月を見る
CIなら変化の方向と幅、DIなら50%との関係を見ます。そのうえで過去数か月と比べれば、今回だけの動きなのか、続いている変化なのかが読みやすくなります。
慣れてきたら、どの構成系列が上昇や低下に影響したのかも見てみましょう。生産や雇用など、数字の背景にある暮らしや企業活動が少しずつ見えてきます。
CIとDIはセットで読むとわかりやすい
CIは景気変動の大きさや速さを示し、DIは改善が各分野にどれほど及んでいるかを示します。勢いと広がりという違いを覚えると、二つを混同しにくくなります。
さらに、先行指数はこれからの動き、一致指数は現在、遅行指数は変化の確認に使われます。CIやDIを見たら、どの種類なのかまで読むのが次の一歩です。
次に経済ニュースでこの二文字を見かけたら、まず「勢いを示すCIか、広がりを示すDIか」を確かめてみてください。そこからなら、数字の話にも入りやすくなりますよ。












