楽譜を見ていて、冒頭に「6/8」と書いてあるのに「え、これって何拍子で数えたらいいの?」と止まったことはないでしょうか。名前は6つとついているのに、2拍子として感じる、というのがまたわかりにくくて。
『ゴイノワ』のナギです。今回は8分の6拍子について、仕組みから数え方、よく混同される4分の3拍子との違いまで、順にほどいていこうと思います。
「なんとなく弾けてるけど、説明できるかと言われたら微妙……」という感覚がある方に、少し届けば嬉しいです。
まず「8分の6」って何を表してる?
拍子記号の分母と分子、それぞれ何を意味するかを先に確認しておくと、あとがずっと楽になります。分母の「8」は8分音符を1拍の基準とするという意味で、分子の「6」は1小節にその音符が6つ入るという意味です。
つまり8分の6拍子は、8分音符が1小節にちょうど6個入る拍子ということ。数字だけ見れば「6拍子じゃないの?」と思いたくなりますが、実際の感じ方はそうじゃないんですよね。
ここが少し面白いところで、音楽の「拍子」は音符の数をそのまま数えるものではなく、どこにアクセントを置いてまとまりを感じるか、という話だったりします。
8分の6拍子は「大きな2拍子」
8分の6拍子では、8分音符3つをひとかたまりとして感じます。「1・2・3」と「4・5・6」という2グループに分かれ、それぞれが大きな1拍として体感されるんです。結果として、8分の6拍子は「大きな2拍子」として感じるのが基本になります。
指揮者が振る動きをイメージするとわかりやすくて、6/8拍子では振り子のように左右へ大きく揺れる動きをします。6つを1つずつ細かく振るのではなく、3つのかたまりを1振りとして、2振りで1小節を作るイメージです。
- 分母「8」の意味
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8分音符を1拍の基準とする
- 分子「6」の意味
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1小節に8分音符が6つ入る
- 感じ方
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3つひとまとまりの「大きな2拍子」
「複合拍子」って何?
8分の6拍子は、音楽用語では複合拍子に分類されます。複合拍子とは、3つの音符をひとまとまりとした拍が、複数集まってできる拍子のことです。分子が6・9・12のものがこれにあたります。
これに対して4分の4拍子や4分の3拍子のように、1拍が1つの音符に対応しているものを「単純拍子」と呼びます。8分の6拍子が単純拍子と感覚的に違う理由は、この「拍のまとまり方」の構造が違うからなんですよね。
ナギ「3拍子の集まり」ではなく「3連が入った2拍子」なんですよね
4分の3拍子と何が違うの?
ここが一番よく混乱するポイントだと思います。「6つを3つに分けたら、3拍子じゃないの?」と思いたくなるんですが、4分の3拍子と8分の6拍子はまったく別の拍子です。算数の約分のように「6/8=3/4」とはならない、というのが鉄則で。
4分の3拍子は「1・2・3」と3つの拍を均等に感じ、それぞれに重みがあります。ワルツのように、体が3回揺れるイメージです。一方、8分の6拍子は「1(2・3)・2(2・3)」と大きく2回揺れる中に、それぞれ3つの動きが含まれています。
わかりやすい違いの見方としては、「体が何回揺れるか」を試してみること。3回なら4分の3拍子、2回で自然なら8分の6拍子、という感覚です。曲を流しながら体を揺らしてみると、思ったよりはっきり違いが見えてきます。
どんな曲で使われている?
8分の6拍子は、流れるような躍動感を出したいときに使われることが多い拍子です。日本では「ハチロク」とも呼ばれ、バラードやアフロビートのリズムなど幅広いジャンルで登場します。
身近なところでは、童謡の「ずいずいずっころばし」や「かごめかごめ」なども8分の6拍子と近い感覚でできています。また、シューベルトの「魔王」やメンデルスゾーンの「歌の翼に」など、クラシックの曲にも多く登場します。揺れるような流れがあるな、と感じる曲はこの拍子の可能性が高いです。
数え方で迷ったときのヒント
8分の6拍子を数えるとき、「1・2・3・4・5・6」と6つ均等に数えてしまうと、リズム感がうまくつかめなくなりがちです。「1・2・3、2・2・3」と大きな2つのまとまりとして数えると、曲の流れに乗りやすくなります。
メトロノームを使う場合は、8分音符に合わせて6拍子で設定するのが基本です。ただし速いテンポの曲では、付点4分音符を1拍とした2拍子で感じるほうが自然なこともあります。
- 8分音符が1小節に6つ入る拍子
- 8分音符3つをひとまとまりにする
- その「まとまり」が2つで1小節を作る
- 大きくとると「2拍子」の感覚になる
この4点を頭に置いておくと、楽譜で6/8を見かけたときに迷いにくくなると思います。
8分の6拍子、つかんでいこう
8分の6拍子は、8分音符6つが1小節に入る複合拍子で、3つのまとまりが2つある大きな2拍子として感じるのが基本です。名前の「6」に引きずられて6拍子として数えてしまうと、リズム感がつかみにくくなります。
4分の3拍子との違いは、同じ「3の要素」を含んでいても拍の重心がまったく違う点にあります。「体が何回揺れるか」を試してみるのが、わかりやすい確認方法のひとつです。
次に楽譜で6/8を見かけたら、まず「大きな2拍子」として体を揺らしてみてください。「1(2・3)・2(2・3)」のかたまりが見えてくると、この拍子の感覚がぐっと近くなりますよ。










