FTPという言葉は、Webサイトのファイルをサーバーへ送る場面などで見かけます。名前だけでは何をしている仕組みなのか、少しつかみにくいですよね。
『ゴイノワ』のナギです。わたしなら、まず「何をどこへ運ぶ仕組みなのか」から見ます。FTPは、ネットワークを通じてコンピューター間でファイルをやり取りするための通信方式です。
意味だけでなく、アップロードやダウンロードとの関係、SFTPやFTPSとの違いまで分かると、設定画面でFTPを見かけても役割をつかみやすくなります。
FTPとは何か
FTPは「File Transfer Protocol」の略です。コンピューター間でファイルを転送するための通信手順を指します。
ここでいうプロトコルは、通信するときの決まりごとのようなものです。FTPでは、相手へ接続してファイルを送る、受け取る、一覧を見るといった操作の方法が定められています。
- 正式名称
-
File Transfer Protocolです
- 主な役割
-
ネットワーク経由でファイルを転送します
- 通信方式
-
TCPを利用して通信します
FTPの仕組み
FTPでは、利用する側の「クライアント」と、ファイルを置く側の「サーバー」が通信します。クライアントから命令を送り、サーバーが応答しながら処理を進める仕組みです。
特徴の一つは、命令や応答に使う接続と、ファイルなどのデータを運ぶ接続が分かれていることです。RFC 959では、制御用の接続とデータ用の接続がそれぞれ定められています。
- クライアントがサーバーへ接続する
- 転送するファイルを指定する
- データ用の接続で転送する
- サーバーから結果が返る
細かな通信まで覚える必要はありません。まずは指示を出す通信とファイルを運ぶ通信があると分かれば、FTPの仕組みをイメージしやすくなります。
FTPでできること
FTPでは、サーバーにあるファイルを取得したり、手元のファイルをサーバーへ送ったりできます。ファイル転送が中心ですが、ディレクトリの作成や削除などに対応する命令もあります。
身近な言い方に置き換えると、ファイルをサーバーへ送るのがアップロード、サーバーから受け取るのがダウンロードです。FTPは、そのやり取りに使われる方法の一つです。
ナギ送る側と受け取る側を見ると分かりやすいですね
FTPが使われる場面
FTPは、離れたコンピューターとの間でファイルを転送したい場面に使われてきました。たとえば、サーバー上のファイルを取得したり、作成したファイルを送ったりする用途です。
Webサイトの管理でもFTPという言葉を見かけることがあります。ただし、利用するサービスによって接続方式や必要な情報は異なるため、FTPという名前だけで設定方法まで同じとは限りません。
FTPを使うときの情報
FTPクライアントなどから接続するときは、一般に接続先となるホスト名やユーザー名などを指定します。実際に必要な項目は、利用するサーバーやサービスの案内で確認します。
FTPの標準仕様では、制御用の接続でサーバー側のポート21が使われます。ただ、ここは意味を取り違えたくないんですよね。接続設定はサービス側の指定を優先するのが基本です。
- 接続先のホスト名
- ユーザー名
- 認証に必要な情報
- 指定された接続方式
FTPの注意点
標準的なFTPには、通信を暗号化しないという性質があります。RFC 2577では、パスワードを含む制御情報やデータが暗号化されずに送られることが示されています。
そのため、現在のサービスで接続方法を選ぶ場面では、FTPと暗号化された転送方式を同じものとして扱わないことがポイントです。提供元が指定する安全な方式を確認します。
SFTP・FTPSとの違い
FTPと名前が似ているものにSFTPとFTPSがあります。どちらもファイル転送に関係しますが、仕組みは同じではありません。略称だけで判断すると混同しやすいところです。
SFTPはOpenSSHの説明ではSSHによる暗号化された通信上でファイル操作を行います。一方、FTPSはFTPにTLSによる保護を組み合わせる方式で、RFC 4217に仕様があります。
| 名称 | 特徴 |
|---|---|
| FTP | ファイル転送用のプロトコル |
| SFTP | SSHの暗号化通信上でファイルを転送 |
| FTPS | FTPをTLSで保護して利用 |
とくにSFTPは「FTPにSを付けた安全版」という単純な関係ではありません。FTPとは別の仕組みで動くファイル転送方式として見分けると、接続方式を選ぶときに混乱しにくくなります。
FTPを見かけたときの捉え方
FTPとは、ネットワークを通じてコンピューター間でファイルをやり取りするためのプロトコルです。アップロードやダウンロードを支える通信方式の一つ、と考えると意味をつかみやすいでしょう。
一方で、FTP、SFTP、FTPSは同じ名称の言い換えではありません。とくに通信の保護方法に違いがあるため、実際の接続では利用先が指定している方式を確かめる必要があります。
みなさんが設定画面でFTPを見かけたら、まず「ファイルをどこへ送るのか」と「FTP・SFTP・FTPSのどれが指定されているか」を見てみてください。それだけでも項目の役割を読み取りやすくなります。












