CPTPPとは?意味やTPPとの違いを簡単に解説

経済ニュースを読んでいると、急に長いアルファベットが現れて、そこで読む手が止まることがあります。CPTPPも、名前だけでは何の集まりなのか想像しにくい言葉です。

こんにちは、「ゴイノワ」のナギです。わたしも初めて見たときは、国際機関の名前なのか、会議の名前なのかが分からず、まずそこから調べました。

先に意味の芯をつかむなら、CPTPPは複数の国が貿易や投資に共通の決まりを設ける経済連携協定です。関税だけでなく、ネット取引や知的財産なども扱います。

CPTPPは国どうしの経済協定

CPTPPとは、参加する国どうしで商品やサービスを取引しやすくするために結ばれた協定です。日本語では「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定」と呼ばれます。

名前はかなり長いのですが、中心にあるのは、国をまたぐ商売に共通の決まりを設けること。商品を輸出入するときの関税や、企業が海外で事業を行う場合の扱いなどが決められています。

国をまたぐ取引の幅広い共通ルールと考えると、最初の理解としては十分です。単なる国の集まりではなく、参加国が守る約束そのものを指します。

Comprehensive

幅広い分野を含む「包括的」という意味

Progressive

新しい分野にも対応する「先進的」という意味

TPP

環太平洋パートナーシップを示す略称

関税だけの約束ではない

CPTPPの説明では、関税を下げたり撤廃したりする話がよく出てきます。関税とは、外国から商品を輸入するときにかかる税のことで、商品の価格や売りやすさにも関わります。

ただ、ここで「輸入品を安くするための協定」とだけ覚えると、中身を狭く受け取ってしまいます。わたしも調べながら、扱われている分野の多さで一度止まりました。

サービス、投資、電子商取引、知的財産、政府調達、国有企業、労働、環境なども対象です。商品を売り買いする場面だけの話ではありません

扱う分野決まりのイメージ
物品の貿易関税を下げて商品を取引しやすくする
サービス外国でサービスを提供する際の扱いを定める
投資企業が海外へ進出するときの決まりを設ける
電子商取引ネットを通じた国際取引の決まりを共有する
知的財産著作権や商標などを扱う基準を設ける
労働・環境取引の拡大とともに守るべきルールを定める

TPPからCPTPPへ変わった経緯

CPTPPを理解するときは、先にTPPとの関係を知っておくと迷いにくくなります。二つは名前が似ているだけではなく、もともと同じ流れの中で生まれた協定です。

TPPは、米国を含む12か国が参加して交渉を進め、2016年に署名されました。ところが、その後に米国が離脱を表明したため、当初の形では発効できない状況になりました。

そこで残った11か国が、TPPの内容を土台に新しい協定を作りました。それがCPTPPです。2018年3月に署名され、同年12月に日本を含む一部の国で発効しました。

ナギ

TPPの続きを11か国で形にした協定です

TPP11と呼ばれる理由

CPTPPは、ニュースや資料で「TPP11」と書かれることもあります。これは協定を作った原署名国が11か国だったことから使われてきた呼び名です。

そのため、CPTPPとTPP11は、基本的には同じ協定を指しています。正式名称や英語の略称を使う場面ではCPTPP、経緯を説明する場面ではTPP11と表されることがあります。

CPTPPとTPP11を別々の協定だと思わないことが確認したい点です。ただし、英国の加入後も「11」という呼び名が残るため、現在の参加国数とは一致しません。

現在参加している国はどこ?

最初にCPTPPへ署名したのは、日本、オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、ベトナムの11か国です。

この11か国すべてについて、2023年7月までに協定が発効しました。その後、英国が新たに加入するための議定書へ署名し、2024年12月から多くの参加国との間で発効しています。

英国は、原署名国以外からCPTPPへ加わった最初の国です。太平洋に面した国だけで構成される協定ではなく、決まりを受け入れられる国が加入を目指せる仕組みになっています。

地域参加国
東アジア・東南アジア日本、ブルネイ、マレーシア、シンガポール、ベトナム
オセアニアオーストラリア、ニュージーランド
北米・中南米カナダ、メキシコ、チリ、ペルー
ヨーロッパ英国

新しい国はすぐに加入できる?

CPTPPへの加入を希望する国が、申請しただけですぐ参加国になるわけではありません。すでにある協定の内容を受け入れ、求められる基準を守れるかが確認されます。

加入交渉では、物品の関税やサービス市場の開放だけでなく、国内制度がCPTPPの決まりに対応できるかも話し合われます。参加国すべてとの合意が必要になるため、時間がかかる場合もあります。

ニュースで「加入申請」「交渉開始」「加入合意」と書かれていても、それぞれ段階が違います。わたしなら、国名を見る前に、今どの段階なのかを確かめます。

ステップ1

希望する国や地域が正式に加入を申請する

ステップ2

参加国が交渉を始めるかどうかを判断する

ステップ3

関税や国内制度について加入交渉を行う

ステップ4

必要な国内手続きを終えて協定が発効する

RCEPとの違いを知っておこう

CPTPPと一緒に見かけやすい経済協定にRCEPがあります。どちらも複数の国が参加し、貿易や投資をしやすくする協定なので、初めて見ると同じものに感じやすいところです。

大きな違いの一つは参加国です。RCEPはASEAN諸国を中心に、日本、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランドが参加しており、東アジアとの結び付きが強い協定です。

CPTPPは、電子商取引、国有企業、労働、環境などにも細かな決まりを設けています。一方のRCEPは、より多くの国が参加する大きな経済圏を作っている点に特徴があります。

比べる点CPTPPRCEP
主な地域アジア太平洋と英国東アジアを中心とする地域
中国の参加参加していない参加している
米国の参加参加していない参加していない
特徴幅広い分野に共通の決まりを設ける大きな地域内で貿易を進めやすくする

FTAやEPAとは何が違うの?

CPTPPを調べていると、FTAやEPAという言葉も出てきます。ここは略称が続くので混乱しやすいのですが、CPTPPも広い意味では経済連携を進める協定の一つです。

FTAは、主に物品の関税やサービス貿易の障壁を減らす協定です。EPAはそれに加えて、投資、人の移動、知的財産など、幅広い経済関係を扱います。

CPTPPは、複数国による高度なEPAに近いものと考えると分かりやすくなります。ただ、略称だけを機械的に覚えるより、参加国と扱う分野を見るほうが内容をつかみやすいです。

FTA

関税やサービス貿易の障壁を減らす協定

EPA

投資なども含め経済関係を広く扱う協定

CPTPP

複数国が幅広い決まりを共有する経済協定

私たちの暮らしにも関係する

国際協定と聞くと、政府や輸出企業だけに関係する話だと思うかもしれません。ただ、海外から入ってくる食品や衣類、日用品などを通じて、私たちの暮らしにもつながっています。

関税が段階的に下がると、輸入にかかる負担が軽くなる可能性があります。ただし、店頭価格は為替、輸送費、原材料費、販売する店の判断にも左右されます。

そのため、「CPTPPがあるから輸入品は必ず安くなる」とは言えません。関税がどう変わったかと、実際の販売価格がどう動くかは、分けて考えたいところなんですよね。

企業はどんな場面で利用する?

企業にとっては、商品を海外へ売るときや、参加国から材料を仕入れるときにCPTPPを利用できる場合があります。関税が低くなれば、取引の負担を抑えられる可能性があります。

ただし、参加国で作られた商品なら、どれでも自動的に低い関税が適用されるわけではありません。どこで作られ、どの材料を使ったかを示す原産地規則を満たす必要があります。

必要な書類や手続きもあるため、協定が存在するだけで特典を受けられるわけではないんです。この点は、制度の意味と実際の利用を分けて見たほうが理解しやすくなります。

ニュースを読むときの見分け方

CPTPPのニュースを読むときは、最初から協定の細部まで理解しようとしなくても大丈夫です。まず、何について報じている記事なのかをつかむだけでも読みやすさが変わります。

新しい国の加入、関税の変更、会合での合意、企業による利用など、話題はいくつかに分かれます。同じCPTPPの記事でも、扱っている内容によって見るべき部分は異なります。

あとで意味を取り違えたくないなら、「どの国」「どの段階」「何の分野」という三つを先に見るのがおすすめです。専門用語が多い記事でも、話の中心を追いやすくなります。

ステップ1

記事に出てくる国や地域を確かめる

ステップ2

加入申請や発効など現在の段階を見る

ステップ3

関税や投資など記事の分野を見分ける

CPTPPの意味を一言でつかむ

CPTPPとは、参加国が関税を下げるだけでなく、サービス、投資、電子商取引、知的財産などにも共通の決まりを設ける、幅広い経済連携協定です。

米国を含む12か国のTPPを出発点とし、米国の離脱後に残った11か国で発足しました。その後は英国も加入し、原署名国の外へ広がる協定になっています。

次にCPTPPという言葉を見かけたら、まず「参加国どうしの幅広い経済ルール」と置き換えてみてください。そのうえで国名と話題の分野を見れば、ニュースの意味を一歩ずつつかめますよ。

情報は更新時点のものです。最新情報は公式サイトもあわせてご確認ください。

この記事を書いた人

「ゴイノワ」ナギ

『くらしごと』では、暮らしの中で気になることや、動く前にちょっと確認しておきたいことをわかりやすくまとめています。

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