ECとは簡単にいうと?ヨーロッパのEUとの違いをわかりやすく解説

歴史やニュースで「EC」という略称を見かけると、EUと何が違うの?と少し引っかかります。名前まで似ているので、同じものだと思ってしまいやすいんですよね。

こんにちは、『ゴイノワ』のナギです。わたしもECを調べるとき、まず止まったのが「EUの昔の名前なのか」というところでした。

先にいうと、ヨーロッパの話で使われるECはEuropean Community、日本語では「欧州共同体」を指します。ただし、EUへの変化は単純な名称変更だけではありません。

目次

ECとは欧州共同体のこと

ECは「European Community」の略で、日本語では「欧州共同体」または「ヨーロッパ共同体」と呼ばれます。現在のEUにつながるヨーロッパ統合の歴史で登場する名称です。

EC

European Communityの略で、日本語では欧州共同体

ECは現在のEUへつながった共同体と覚えると、まず大きな流れをつかめます。古い新聞や教科書でECと書かれていても、今のEUと無関係な組織ではありません。

ECはどのように生まれた?

第二次世界大戦後のヨーロッパでは、国同士の結びつきを強める取り組みが進みました。その中で1951年には欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)が設けられます。

さらに1957年のローマ条約によって、欧州経済共同体(EEC)と欧州原子力共同体(Euratom)が誕生しました。最初はフランス、西ドイツ、イタリアなど6か国からの出発です。

ここでわたしが気になったのが、「ではECは最初からECという名前だったの?」という点。実は、このあたりを飛ばすとEECとECがごちゃっとしやすくなります。

EECとECは同じではない

EECは「European Economic Community」の略で、日本語では欧州経済共同体です。名前にEconomicとある通り、もともとは経済分野を中心とした共同体でした。

略称内容
EECEuropean Economic Community(欧州経済共同体)
ECEuropean Community(欧州共同体)
EUEuropean Union(欧州連合)

1993年にマーストリヒト条約が発効すると、EECはECへと名称が変わりました。経済だけでなく、より幅広い分野を扱う共同体になったことが名前にも表れています。

ナギ

EECのEは「Economic」なんですね

ECとEUはどう違う?

ここが一番迷いやすいところです。1993年にマーストリヒト条約が発効し、EU(European Union)が発足しましたが、その時点ですぐECという存在がなくなったわけではありません。

当時のEUは、ECを含む複数の協力分野をひとつの枠の中に置く仕組みでした。そのため、1993年以降もしばらくECとEUは併存していたと見るほうが正確です。

「ECが1993年にそのままEUへ名前を変えた」とだけ覚えると、この部分が抜けてしまいます。簡単な説明ではそう表現されることもありますが、少しだけ注意したいところです。

ECがなくなったのは2009年

大きな区切りになったのは2009年12月1日です。この日にリスボン条約が発効し、EUがECを引き継ぐ形になりました。

それまでの「欧州共同体を設立する条約」も「欧州連合の機能に関する条約」へ名称が変わり、条約内のEuropean Communityという表現も基本的にEuropean Unionへ置き換えられています。

なので現在の制度について話すなら、通常は「EU」を使います。ECは主に、ヨーロッパ統合の歴史や2009年以前の制度を読むときに出会う言葉、と考えると分かりやすいですね。

「EC=EUの前身」でいい?

日常的な理解として「ECはEUの前身」と覚えるのは、大きく外れていません。辞書でも、ECをEUの前身となった共同体として説明するものがあります。

ただ、歴史を少し詳しく読むなら「ECがなくなって、その瞬間にEUへ変身した」と考えないほうがいいでしょう。1993年から2009年までは、EUの枠の中にECが存在した時期があります。

わたしなら、試験や会話でざっくり答えるときは「EUの前身」、歴史の流れを説明するときは「EUの中核を担い、のちにEUへ引き継がれた共同体」と言い分けます。

ECには別の意味もある

もうひとつ気をつけたいのが、ECという略語には別の意味もあることです。日本では「Electronic Commerce」の略として、ネット通販などの電子商取引をECと呼ぶ場面もかなりあります。

「ECサイトを運営する」なら電子商取引のECですし、「EC加盟国」「ECからEUへ」といった文脈なら欧州共同体の可能性が高いでしょう。前後の言葉を見ると判断しやすくなります。

同じアルファベット2文字でも意味はかなり違います。あとで取り違えたくないので、わたしはECを見たら、まず「ヨーロッパの話か、ネット通販の話か」を先に見ます。

ECからEUへの流れを覚えよう

ヨーロッパのECとはEuropean Community、つまり欧州共同体のことです。EECからECへと変わり、現在のEUにつながっていった歴史の中で使われた名称です。

ざっくり覚えるなら「ECはEUの前身」で十分ですが、1993年にEUが発足したあともECは存在し、2009年のリスボン条約発効でEUに引き継がれた、と知っておくと時系列までつかめます。

次にECという文字を見かけたら、まず前後に「EU」「ヨーロッパ」「加盟国」があるかを見てみてください。それだけでも、どのECを指しているのかかなり読み取りやすくなりますよ。

情報は更新時点のものです。最新情報は公式サイトもあわせてご確認ください。

この記事を書いた人

「ゴイノワ」ナギ

『くらしごと』では、暮らしの中で気になることや、動く前にちょっと確認しておきたいことをわかりやすくまとめています。

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