「9次元」という言葉を目にしたとき、どこから手をつければいいか迷う人は多いと思います。物理の話なのか、精神世界の話なのか、文脈によってまったく別の方向を向いているので、ちょっと戸惑いますよね。
『ゴイノワ』のナギです。今回は「9次元」という言葉が、科学の文脈でどう使われているのかを中心に、できるだけ生活者の感覚に近いところから解説してみます。
難しい数式は出てきません。「なんとなく聞いたことある」くらいの状態から、「使われ方の輪郭がつかめた」というところまで一緒に進めればと思います。
9次元、まず「次元」から確認する
「次元」とは、位置を表すために必要な座標の数のことです。わたしたちが暮らす空間は、縦・横・高さの3軸があれば場所を特定できます。これが3次元空間と呼ばれる理由。
平面の地図は縦と横の2軸で位置を示せるので2次元。そこに高さが加わると3次元になる。こうして「軸の数=次元の数」という関係で理解すると、9次元は「9本の軸が必要な空間」ということになります。
ただ、9本の軸といきなり言われても、頭の中に絵が浮かびません。それはそのはずで、人間の感覚器官は3次元までしか直感的に認識できないとされているから。9次元を「見えない」のは想像力の問題ではなく、もともと感じ取れない仕組みになっているということです。
9次元が出てくる場面はどこ?
「9次元」が登場するのは、主に超ひも理論(超弦理論)と呼ばれる理論物理学の文脈です。量子力学と相対性理論、この2つを一本の理論で説明しようとするもので、「万物の理論」の候補として研究が続いています。
超ひも理論では、素粒子を「点」ではなく「ひも」として考えます。そしてそのひもが矛盾なく存在するためには、わたしたちが感じている3次元では足りず、空間が9次元であることが必要だとされています。
- 超ひも理論とは
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素粒子を「点」でなく「ひも」として扱い、あらゆる力と物質を統一的に説明しようとする理論物理学の仮説
つまり9次元は、超ひも理論の数式が「こうでないと辻褄が合わない」と要求してきた次元の数、という立場に近い。あらかじめ9と決めた話ではなく、理論を突き詰めると9が出てきた、ということです。
残りの6次元はどこに消えた?
ここでわたしが一番気になったのが「じゃあ残りの6次元はどこにあるの?」という点です。3次元の世界に生きていて、あとの6つがどこに隠れているのかが直感的につかめなかった。
理論の中では、この6つの余剰次元はカラビ・ヤウ空間と呼ばれる形に「丸まって」存在していると考えられています。Wikipediaの解説では、この空間はコンパクト化されていて、現在の技術では観測できないほど小さいとされています。
イメージとしては、遠くから見ると1本の線に見えるホースを近づいて見ると丸い断面があった、というたとえが使われることがあります。3次元に見えている世界の「すべての点」に、極小の6次元空間が畳み込まれているという考え方です。
スピリチュアル文脈の「9次元」は別の話
調べているとスピリチュアル系の文章にも「9次元」という言葉が出てきます。「9次元は悟りの世界」「9次元の存在と繋がる」といった使い方で、こちらは物理の次元とは別の概念として使われています。
読んでいると意味がまったく異なるので、どちらの文脈で使われているかをまず確認するのが先になります。理論物理とスピリチュアルは同じ「9次元」という語を使っていても、内容は別の話です。
ナギ文脈を先に見ておかないと混乱するんですよね
3次元と9次元、何が違うのか
改めて並べると、こんな関係になります。
| 次元数 | 説明 |
|---|---|
| 3次元 | 縦・横・高さ。私たちが日常で認識できる空間 |
| 9次元 | 超ひも理論が必要とする空間。3次元に余剰の6次元を加えた構造 |
| 余剰6次元 | カラビ・ヤウ空間に畳み込まれ、観測できないほど小さい |
9次元は3次元を否定するものではなく、「3次元の世界をより深く説明するための土台」として9次元が必要だという話です。日常の感覚は3次元で十分ですが、宇宙の根本的な仕組みを説明しようとすると足りなくなる、ということです。
なお、超弦理論の種類によっては9次元ではなく10次元や11次元が必要とされることもあります。「9次元」は超ひも理論の一つの形での答えであり、研究者の間でも議論が続いている領域だということも添えておきます。
9次元という言葉をどう受け取るか
「9次元」は理論物理学の文脈では、超ひも理論が要求する空間の次元数のことです。日常では感じ取れない余剰の6次元がカラビ・ヤウ空間として存在するという考え方で、「見えないから存在しない」というわけでもないのが面白いところです。
スピリチュアル系で使われる「9次元」は、物理の次元と言葉は同じでも意味の出どころが違います。どちらの文脈で書かれているかを先に見ておくと、読み違いが減ります。
ここからもう一歩進みたい場合は、「超ひも理論とは」「カラビ・ヤウ空間とは」を調べてみるのが自然な流れです。9次元は入口にあたる言葉なので、そちらへ進むことで輪郭がもう少しはっきりしてくると思います。











