「8時10分前に集合ね」と言われたとき、すぐに7時50分と浮かぶ人と、8時ちょっと前かなと受け取る人がいます。同じ言葉なのに答えがずれる、ちょっと不思議な表現です。
『ゴイノワ』のナギです。この「8時10分前」という言い方、最近になって若い世代との解釈のズレが話題になっています。どちらが正しいのか、なぜすれ違いが起きるのかを順に見ていきます。
意味は一つのはずなのに、なんでこんなに解釈が割れるんだろう? と最初に読んだとき、わたしも少し止まりました。
「8時10分前」の意味は?
日本語として本来の意味は「8時の10分前」、つまり7時50分です。「前」という言葉が、基準の時刻(8時)から差し引く量(10分)を示す用法で使われています。
NHKの放送用語に関する資料でも、この表現は放送では使わない方針が昭和29年から確認されているほどで、誤解が生じやすいという指摘自体はずっと前からあったようです。
「7時50分」とシンプルに言えば済む場面で、なぜわざわざ「8時10分前」と言うのか。それは8時という目標時刻を先に示してから、そこへの距離を伝えるという伝え方の習慣が背景にあるからです。
なぜ解釈がズレるのか?
街頭インタビューの調査では、40代・50代の84%が「7時50分」と答えたのに対し、10代〜25歳では「7時50分」と答えたのはわずか36%。64%が「8時〜8時9分の間」と回答したというデータがあります。
若い世代が「8時10分の前」と受け取るのは、スマートフォンで育ち、時刻をデジタル数字でそのまま読む習慣が関係しているとされています。アナログ時計で時間の流れをとらえると「8時の10分前」という感覚が自然につきますが、デジタル表示に慣れていると「8時10分」という数字のかたまりがまず目に入り、その「前」と読んでしまう、ということのようです。
ナギ「8時10分前」、世代でこんなに変わるとは思わなかった
似た表現との違いを確認すると?
「8時前」と言うと、ほとんどの人が「8時になる少し前(7時59分頃)」と受け取ります。この感覚があるため、「8時10分前」も「8時10分になる少し前」と読む人が一定数いるのは、ある意味で文法的に筋が通った解釈でもあります。
一方で「8時の10分前」とするとほぼ誤解なく7時50分が伝わります。「の」が一字入るだけで、基準が8時であることが明確になるからです。「8時10分前」と「8時の10分前」は字面が似ていますが、伝わり方が大きく違うので、使うなら「の」ありの形が無難です。
放送では使わない、という話
NHKの放送では客観的・時系列的な場面では「7時50分」のように直接言う方針がとられています。「○時△分前」という言い方は誤解の恐れがあるとして、放送用語の取り決めの中ではっきり使わないと定められているほどです。
ただし「(キックオフの)9時まであと10分」のように、主観や期待を込めたい場面では有効な言い方でもあるとも言われています。文脈に応じて使い分けているということですね。
- 8時10分前
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本来の意味は「7時50分」。8時を基準に10分差し引いた時刻。
- 8時の10分前
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「の」が入ることで8時が基準と明確になり、誤解されにくい表現。
- 8時10分の前
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「8時10分になる少し前」という意味。8時9分頃を指す別の表現。
誤解を防ぐ言い方はあるのか?
実用的なところでいうと、集合時間や締め切りを伝える場面では「7時50分」と数字で直接言うのが一番早いです。口頭なら「8時10分の10分前、だから7時50分ね」とダブルで補足する方法も有効とされています。
チャットや予定表であれば「07:50」のように24時間表記にする方法も、誰に対しても誤解が生じにくい形として挙げられています。「曖昧さをなくしたいなら数字で書く」という判断は、世代を問わず通じる考え方です。
この表現を知っておくと便利なこと
「8時10分前」の意味は7時50分、これは日本語として本来の正しい解釈です。ただし、同じ言葉を読んで違う時刻を思い浮かべる人が一定数いるのも、今は事実として認識しておく必要があります。
「間違えている」と片づけるより、デジタル時計の環境で育った世代にとっては別の読み方が自然に生まれやすい背景があると理解しておく方が、実際の場面では役立ちます。言葉の意味は正しく知りつつ、伝える場面では具体的な数字を使う、という使い分けがシンプルな答えかもしれません。
次に「○時○分前に」と言いたくなったとき、一度「これ、相手に正確に届くかな?」と確かめてみるだけで、すれ違いはかなり防げます。知っているだけで使いどころが変わる、そういう表現です。












