12誘導心電図の貼り方とは?四肢と胸部、位置の決め方を順に確認

「12誘導心電図って電極が12個あるの?」と最初に思った人は、わたしだけじゃないはずです。調べ始めると、電極は10個なのに12誘導という名前の理由から説明が必要で、どこに何を貼るかまで一気に飲み込もうとするとけっこう混乱します。

こんにちは、『ゴイノワ』のナギです。今回は「12誘導心電図の貼り方」について、位置の決め方やちょっとしたコツまで、順を追って確認していきます。

名前の意味からひもといていくと、どこに何を貼るかの理由がちゃんとついてくるので、まずはそこから入ってみましょう。

目次

「12誘導」とはどういう意味?

「12誘導」とは、心臓の電気的な活動を12の方向から記録するということです。方向の数が12なので「12誘導」と呼ばれていて、電極の数とは別の話になります。

実際に使う電極は10個。四肢に4つ、胸部に6つを貼り付けます。この10個の電極の組み合わせ方を変えながら、12の異なる視点で心臓を眺めるような仕組みです。電極の個数と誘導の数がずれているのは、そういう理由があります。

四肢に付けた電極から得られる波形を「肢誘導(四肢誘導)」、胸部に付けた電極から得られる波形を「胸部誘導」と呼びます。肢誘導は4本の電極から6種類の波形が得られ、胸部誘導の6本と合わせて合計12種類になります。

四肢誘導の電極の貼り方

まず四肢誘導から見ていきます。電極を貼る場所は四つ。手首と足首に一つずつ付けていきます。色と位置の組み合わせが決まっているので、そのまま覚えてしまうのが早いです。

右手首(RA):赤

右の手首に赤の電極を付けます。

左手首(LA):黄

左の手首に黄の電極を付けます。

左足首(LL):緑

左の足首に緑の電極を付けます。

右足首(RL):黒

右の足首に黒の電極を付けます(アースの役割)。

機器によっては本体に貼付位置が印字されている場合もあるので、迷ったら一度本体を確認してみるのも手です。手首や足首に装着できない場合は、前腕・上腕・下腿などの近い部位でも波形への影響は大きくないとされています。

胸部誘導の電極の貼り方

胸部誘導はV1からV6の6つ。ここが「貼り方」でいちばん迷われるところです。V1とV2の位置さえ正確に決まれば、残りは連鎖的に決まります。

基準になるのは胸骨角(胸骨のポコッと出ている部分)。そこを触れると第2肋骨の位置が分かります。そこから指で肋間をたどっていくと第4肋間にたどり着きます。V1はその第4肋間の胸骨右縁、V2は同じ高さで胸骨左縁です。

V4は第5肋間の左鎖骨中線上に貼ります。V3はV2とV4の中間。V5はV4と同じ高さで前腋窩線上、V6は同じ高さで中腋窩線上です。V4の位置を先に決めておくと、V3以降がスムーズに決まっていきます。

貼るときに気をつけたいこと

電極を貼る前に、アルコール綿で皮膚をしっかり拭くことが大事です。皮脂や汚れが残っていると電極が密着しにくくなり、波形にノイズが入りやすくなります。拭いたあとはしっかり乾燥させてから貼ること。ここを急いでしまうと記録がきれいにとれません。

ナギ

乾かしてから貼る、がポイントです!

女性の患者さんで、胸部誘導(特にV4〜V6)の貼付位置が乳房と重なる場合は、乳房の上からではなくその下縁の皮膚に貼ります。乳房の上から貼ると位置がずれて波形が変化する可能性があるためです。

「誘導」と「電極の数」を混同しやすい理由

「12誘導なら電極も12個では?」という混乱は、モニター心電図との対比から生まれやすいです。モニター心電図は電極が3つで「3点誘導」と表現されることもあるので、誘導の数=電極の数というイメージが先に入ってしまうんですよね。

でも12誘導心電図は、10個の電極の組み合わせを変えながら12方向の情報を取り出す仕組みなので、数のズレに意味があります。肢誘導の4本だけで6種類の波形が得られるのは、電極どうしの組み合わせをプラス・マイナスで切り替えているためです。

この仕組みを一度頭に入れておくと、「なぜこの位置に貼るのか」という理由まで追えるようになります。位置を丸暗記するより、意味と一緒に覚えたほうが長持ちするのはこういう理由からです。

12誘導心電図の貼り方、まず覚えたい核心

12誘導心電図の貼り方は、四肢誘導4つ(色が決まっている)と胸部誘導6つ(第4肋間を起点に位置が決まる)の合計10個。「電極は10個、方向は12通り」というセットで覚えておくと、混乱しにくくなります。

胸部誘導はV1とV2の位置が決まれば連鎖的に貼れるので、胸骨角から第4肋間を指でたどる練習を一度やっておくと感覚がつかみやすいです。貼り方そのものより、「なぜその位置なのか」が分かっている状態にしておくのが近道だとわたしは思っています。

電極の位置を変更した場合は記録に残し、担当医への報告も忘れずに。まず四肢誘導の色と位置から確認して、胸部誘導のV1・V2を押さえるところから始めてみてください。

情報は更新時点のものです。最新情報は公式サイトもあわせてご確認ください。

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「くらしごと」しおり

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